正直なところ、私は任意整理という選択肢をずっと避けてきた。
どうしても、それだけはしたくなかった相手がいた。
たった数十分で終わった手続き
実際の任意整理の手続きは、拍子抜けするほど簡単だった。
オンラインで必要な書類を提出して、電話でいくつか確認が入って、数十分で終わった。
あまりにもあっさりしていて、「本当にこれで終わったのか」と戸惑うくらいだった。
どうしても整理したくなかった理由
手続きが簡単だったからといって、気持ちの整理まで簡単だったわけではない。
相手は、私が過去に深く関わっていた場所だった。
いろんな思いが残っていた。感謝も、悔しさもあった。
そんな相手に対して、「もう支払えません」と法的な手段をとるのは、自分の中では裏切りに近いものがあった。
恥じらいも。
でも現実には、どうにもならなかった。払えなかった。払う手段も気力も残っていなかった。
ようやく「底」に到達した実感
任意整理を終えて思ったのは、「ようやく私は底を打ったのかもしれない」ということだった。
ここまで強制的にお金を借りられない状況にしなければ、私は変われなかったらしい。
ずっと、ギリギリでなんとかしようとしていた。まだどうにかなると思っていた。
でも、もう“どうにかなる”余地はなくなった。そのことに、ようやく納得した。
人からの借金が教えてくれたこと
私は、業者からだけじゃなく、人からも借りた。
金額そのものより、そこで経験したことの方がずっと大きかった。
信頼、関係性、自分の価値――いろんなものが一度壊れて、でもその中で学んだこともあった。
その経験がなかったら、今の私はここまで腹をくくれなかったかもしれない。
返済生活は、ここからが本当のスタート
これまで何度も「もう終わりだ」と思ってきた。
でも任意整理をして、やっと「ここから始められる」と思えるようになった。
返済はきつい。きれいごとじゃないし、楽にもならない。
でも、自分で選んで返していく人生は、少なくとも後ろめたくない。
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